300人殺害に関与か、メキシコ殺し屋オスカルが逮捕
2011年8月15日 18:00
国内からは農民の土地を取り上げ、国外へは主要産業を売り飛ばすなど腐敗した政治を展開していたメキシコ大統領ディアスへの怒りが頂点に達し、1910年から丸10年間、メキシコ革命が巻き起こった。指導者の1人、革命の英雄エミリアーノ・サパタは言う。「ひざまずいて生きるより、立って死ぬほうがいい。」――ジョージ・クルーニー、ブラット・ピットら出演の『オーシャンズ13』でもちらりと画面に登場した、力強い格言だ。
数々の自然・文化遺産を有する観光大国のメキシコだが、革命後も国家的な苦悩は続いている。特に近年問題と化しているのが"麻薬戦争"と呼ばれる政府対マフィアの大紛争。2006年に大統領へ就任したカルデロンは国内の麻薬産業を撲滅する方針を強く打ち出し、これに反発したメキシコマフィアと対峙、結果として4万1000人以上が同紛争で命を落としている。13日には、こうした抗争に深く関わっている殺し屋組織のリーダー、オスカル・オスバルド・ガルシア・モントジャ容疑者を逮捕。300人を殺害し、また600人の殺害を命じたなどの容疑が掛けられている。
陽気だが激情的なラテン民族の気質。大統領もマフィア連中も、"立って死ぬ"事を選び、血で血を洗う抗争を続けている。メキシコ麻薬の大事業を一掃する事は人類にとって最優先事項のうちのひとつであるが、ここで肝心なのは綺麗にした部屋の中に何を置くかという事だ。荒廃した生活から脱出出来るだけの教育制度、その後の受け皿となる新産業、そしてそららに伴う、より高度な、有意義な価値観。カルデロン大統領が確実に未来を描けなければ、彼らの血は決して報われない。
【記事:G・JoeⅡ】
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