幹細胞と近未来医療の可能性
真に期待
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耳から有望な肝細胞発見、再生医療に新たな光
2011年8月10日 17:00
近年、バイオテクノロジーとして近未来的な注目を浴びているのが「幹細胞」という存在だ。この細胞は文字の通り、幹(stem)のような細胞。樹木は枝が折れても、幹が生きている限りはまた新たな枝を形作る。幹細胞の場合、枝を折って再び土に埋める事で樹木として成立する"挿し木"的能力も持ち合わせている。しかも、土の性質によって形を変える事も可能だ。先日も筆者の記事内で脳再生に関する幹細胞研究を取り扱った。今回は軟骨再生に関わる研究発表である。
8日、新たな幹細胞を発見したと、横浜市立大大学院医学研究科の谷口英樹教授や神奈川県立こども医療センターの小林真司形成外科部長らが発表した。発見されたのはヒトの耳の軟骨に含まれる幹細胞。これを使用する事で、軟骨に変える事が可能なのだという。これまで重度の骨折などは完全な再生が不可能であったが、今回の技術が実現すれば十分な治療が可能となる。
今回の技術もマウスによる実験に留まり、人間に対する臨床実験はまだ行われていない。幹細胞再生テクノロジーは、まだまだ開拓の余地が多分に残された最先端科学である。新たな医療技術に関しては特定の宗教的束縛を取り沙汰される事も少なくないが、幹細胞技術は自分の持つ細胞を使用する性質上、おそらくこうした横槍が入る可能性も低いだろう。未来ある技術の今後に、期待である。
【記事:G・JoeⅡ】
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