宇宙の神秘がまたひとつ、ダイヤモンド星の発見か
2011年8月28日 08:00
現代化学の基礎を作った16世紀欧州の錬金術ブーム。現代では金という物質の存在もだいぶ明らかとなり、生成法もないことはない。が、超新星爆発レベルの高エネルギー放射が必要となる為、一ロマンとしては金と労力の掛かりすぎる事業である。一方で1999年、"錬金剛術"の方は完全に成功した。米カーネギー研究所が窒素を利用するCVD法により、コストパフォーマンスに見合った人工ダイヤモンドの生成法を確立したのである。以後、主には工業用に、人工ダイヤモンドの生産が続いている。という訳で、ダイヤモンドそのものはさして珍しい物質でもないが、流石にこれだけ規模が大きいと衝撃的である。
25日、オーストラリア天文学者チームが、地球から約4000光年離れた銀河系内に「ダイヤモンド星」なる小惑星の存在を仮説した。スウィンバーン工科大学のマシュー・ベイルズ教授らによると、惑星が周回する中性子星から発せられる放射線を調べた結果、小惑星のほとんどが炭素からできていることが明らかになったという。惑星はほぼダイヤモンドによって構成されている模様だが、いわゆる「光り輝いている状態ではない」と研究チームは推測している。
我々の太陽系は二次的な恒星群と言われており、超新星爆発後に地球を含め、様々な形態の惑星が誕生した。途方もないエネルギー放射は、宇宙にあらゆるロマンを生み出してくれる。錬金術に失敗した地球人だが、あるいは意外にそう遠くない場所に、金を主成分とした本当の意味での「金星」が存在するのかもしれない。
【記事:G・JoeⅡ】
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