2011年8月23日火曜日

8月24日執筆メモ;自閉症など精神疾患治療に光か、遺伝成分「miR-124a」

自閉症など精神疾患治療に光か、遺伝成分「miR-124a」
 2011年8月24日 20:00
実験マウス「アルジャーノン」の脳に、ある実験手術が行われる。脳疾患に対して画期的な効果を示した同手術。青年チャーリーは被験者第一号となり、手術は見事に成功、6歳児並であった彼の知能は正常どころか、天才的な領域にまで達する。ダニエル・キイス著のSF小説『アルジャーノンの花束を』のあらすじである。ロバート・デ・ニーロ主演『レナードの朝』同様、その結末はハッピーエンドではないのだが、あるいは近未来、こうした治療技術も誕生するのかもしれない。それには脳構造、遺伝子構造の徹底的な解析が必須条件となる。

22日、科学技術振興機構(JST)と大阪バイオサイエンス研究所(OBI)が「マイクロRNA」という種類に分別される遺伝成分の働きを明らかにした。今回焦点となったのは遺伝成分「miR-124a」。miR-124aが欠陥すると、遺伝成分「Lhx2」が過剰に分泌され、これが脳疾患を引き起こす主要因となるという。miR-124aは中枢神経系で最も多く存在している成分で早くから注目されていたが、長らくその働きはミステリーとされていた。今回の発見で、具体的にはてんかんや自閉症などの精神神経疾患の原因究明、または神経系の再生医療技術になどに結びつくとされている。

さすれば、近未来、重要になるのが技術に伴う倫理面である。精神疾患等、性格や知能そのものを変える可能性のあるバイオ医療は、思想や宗派によって争議を醸し出す再生分野となるだろう。筆者は自身の打ちたてた人類三原則の"相互合意の第一原則"を基に、遺伝子治療をこう定義づけたい。「個人・及び社会に対して行われる活動に関して、言語・非言語問わず、他者と確実な合意を行えない対象者に対し、知能・性格の補強・再生治療を提供するものとする」――

【記事:G・JoeⅡ】


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