看護学生の苛立ち、患者から受けた暴力明らかに
2011年8月22日 18:25
古代ギリシャより医学の礎として引き継がれ、現代でも各国医学部で使用されている「ヒポクラテスの誓い」には、「どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず、不正を犯すことなく、医術を行う」という一文がある。21世紀初頭の国内では身分の違いによる不正医療こそ消えつつあるが、逆に身分の違いによって生じる不正患者が問題になっているようだ。
今回、筑波大学の江守陽子教授らがまとめた調査によると、看護実習などで学生が患者と接した際、暴力を受けた者が6割に上る事が明らかとなった。また内訳として、性的暴力・精神的暴力が並んで4割を超えている状況。胸やお尻を触られた、キスをされた、猥褻な発言を投げられた、などの被害が報告されている。調査の対象となったのは関東地方の看護専門学校、短大、大学計15校の看護学生712人。うち593人が有効回答。
病気の重圧を鬱憤したいという患者の思いも分からないではないが、ただただ、国民を恥じる情けない調査結果だ。よって筆者は、ここに患者側の「ディオゲネスの誓い」を創設したい。この哲学者ディオゲネスはプラトンの弟子で、かなり変わった爺さんではあったが、皆から愛された人物。そんな彼の言葉の中に、「あげる人を誉めるのではなく、貰ってやった人も誉めろ」というものがある。誓いは、こうだ。「医術を施してくれた者を実の親のように敬い、自身の分別と理性に従って、他者に害をなす愚劣な行動を否定し、治癒に値すると思う謙虚な生活を選択するべし」――
【記事:G・JoeⅡ】
0 件のコメント:
コメントを投稿