2011年8月21日日曜日

8月21日執筆メモ;パナソニックが新電子書籍端末発表、今度どうなる?

パナソニックが新電子書籍端末発表、今度どうなる?
 2011年8月22日 20:00
米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」が爆発的に普及した事によって幕を開けた、電子書籍時代。キンドルは有機的なE-INK技術で革命を起こしたと言える。その後、米アップルの「iPad」も電子書籍技術を押し出し、後続のスマートフォンも好調。国内でもソニーの「リーダー」やシャープの「ガラパゴス」が発売され、各社が電子書籍への意欲を示している。

そして10日、今度はパナソニックの参入である。楽天が新設した電子書籍サイト「Raboo」と提携した端末「UT-PB01」は3万4800円で発売予定。オンライン書店の取り扱い蔵書は約1万5000冊としている。パナソニック、楽天側は蔵書規模を、今後も更に拡大する方針を打ち出しており、電子書籍事業の成功に期待を寄せている。

が、筆者は率直に言わせてもらうが、電子書籍が日本人に浸透する見込みは限りなく少ない。原因(1)は出版社の保守的態度と、それに伴う販売価格の高額化。国内大手出版社の多くは電子書籍に懐疑的で門戸を開いていない為、物流コストを抑えられ格安で提供出来るはずの電子書籍が米国に比べ高額である。

原因(2)は取扱蔵書の圧倒的不足。現時点では絶版になった書籍、国立図書館でしか手に入らないような貴重な書籍などの取扱がほとんどない状況で、店頭に並んでいる主要な書籍が単に電子世界へ移行したに過ぎない。ちなみに、国立子界図書館の蔵書数は1200万冊。はっきり言って、1万冊程度では話にならない。

原因(3)は、無視され続ける個人創作活動への対応。電子書籍は個人が発信者になれる可能性を無限に追求できる技術であるが、先述の通り出版社は門戸を開かず、無名の才能が全て黙殺されている。キンドルストアのような個人作家システムを充実せねば、電子書籍端末の魅力は皆無に等しい。

電子書籍でどのような時代を築きたいのか。そのビジョンが明確でない今、企業側が如何に優れた技術を開発し、如何に大々的な宣伝を繰り広げようとも、我々日本人は電子書籍に魅力を感じる事はないだろう。日本国民の知の財産を共有し、かつ高め合うという確固たる意志を持った企業が颯爽と登場する事を、真に願っている。

【記事:G・JoeⅡ】


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