ボルトの悲劇・・・「一発失格」ルールは陸上に必要か
2011年8月30日 18:00
仏様の顔を撫でなどとは恐れ多いが、それでも柔和な仏様は人々のそうした行為を寛容に許してくれる。それどころか、撫でた人物は一度目に安堵が得られ、二度目に感謝が得られ、三度目に理解を得られるそうだ。ただし、四度目になると、さすがの仏様も立腹する。諸説あるようだが、「仏の顔も三度まで」にはそうした意味があるそうだ。もっとも、こちらは三度どころではない。一発で失格である。
28日、現在韓国で開催中の陸上世界選手権、男子100メートル決勝で信じられない騒動が起きた。世界記録保持者であり今大会でも最も注目されていた選手のうちの一人、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)がフライングにより失格処分を受けたのである。昨年より、国際陸連(IAAF)は「1回のフライングで失格」の新ルールを導入。時間短縮や他選手への配慮から"一発失格"ルールが生まれたが、あまりに厳しいと批判の声が続出している。ボルト選手も「ロンドンオリンピックまでには改正を」を訴えているが、IAAFはしばらく新ルールを改正する予定はないとしている。
「時間短縮と他選手への配慮」という観点から鑑みて、筆者は「フライング枠」の導入を構想した。その方法はまず、スタートからゴールまで1本のレースを終えた時点で、選手にフライングを報告。次に、最終組まで競技を行った後、サッカーで言うロスタイム的な役割として「フライング枠」のレースを執り行う――といった具合である。これなら競技そのものは円滑であり、かつ道義的でもある。いずれにせよ、あまりに厳しいルールは記録の可能性も破壊する行為と言え、何らかの改善が必要である。
【記事:G・JoeⅡ】
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